蹴出し踊りは約400年前、石州津和野の城主吉見氏が津和野の一帯及び旧阿武郡を領有していたころに発祥したと伝えられている。しかし、記録もなく詳細は不明である。
戦前までは盆踊りが盛んで旧町内の各地の社寺や新盆家庭の庭先、駅前広場等で踊っていた。従って、蹴出し踊りも旧町一円にあったが、今は廃れて、地福と篠生の一部のみとなった。
地福地区では昭和35年ごろ、蹴出し踊り保存会が結成されて、普及保存につとめ、レコードにも吹き込まれて、今でも盛んに各部落の盆踊りや地区のイベントで踊っている。
この踊りはリズミカルな振りのなかに風雅さと勇壮さが込められ、農村の踊りらしい特色が踊りの中で生かされている。 |